フルイドアート

【動画付き】フルイドアート PEテープで自由にスワイプ

今回の制作の道具として用意したのは
皆様おなじみのPEテープです。

いろいろな呼び方があります。
私の住んでいる地方では『スズランテープ』という商品名で呼ぶ方が通りが良いです。

古新聞を縛ったり、応援団のポンポンを作ったり、
最近ではかぎ針編みでバッグを作ったりと
八面六臂の活躍を見せているEPテープを
フルイドアートでも使ってみることにしました。

今回は同じ色を使ってスワイプ方法を変えて二枚制作しました。

◆1枚目・ジグザク◆


基材はMDF材厚さ6mm 20cm四方に
ジェッソで下塗りしてあります。

プライマリーブルーを全面に塗り広げます。
絵の具が全面に塗れていればいいです。
ムラがあってもかまいません。

思いのままに絵の具をのせていきます。
ターコイズブルー、メタリックなインディゴ、ゴールドの3色です。


パールホワイトはスワイプして上にのる色なので端の方に。
ホワイトもスワイプで全面にのせたい色なので端にたっぷり流します。

PEテープ登場。
半透明なので絵の具の様子が見えてスワイプしやすいです。


ジグザグ ジグザグとテープを揺すりながら画面の端までスワイプします。

完成

◆2枚目・巻くように◆


1枚目と同じくプライマリーブルーを
全面に塗り広げ、思いのままに絵の具をのせていきます。

巻き取るようにテープを引いていきます。


ちょっとテープが浮いてしまった場所がありますが、
新しいテープでちょっと手直しします。
手直しした部分もバーナーで炙って
セルを発生させると、なじみます。


乾燥後、完成。

おまけ


基材について。
今回使用した基材は6mm厚のMDF材です。
MDF材とは木材チップを煮て繊維状にしたものに
合成樹脂を混ぜて固めたものです。
繊維の方向性がなく均質なので
アクリル絵の具を流した後のそりが少ないので使用しました。
ただしあくまで“少ない”というレベルです。
今回20cm四方のものを使いましたが数㎜の反りが出ました。
そのまま飾るのでしたら大して問題は無いでしょうが
きっちりと額に入れるとか、木工の素材にするとかにするのなら
ちょっと覚悟がいるかもしれません。

表面がなめらかなのでジェッソによる下塗りは必要なかったと思ったのですが、
しっかり下塗りした方が良いと指摘がありました。
実際やってみたらその通りでした。
ご指摘ありがとうございます。


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フルイドアート 用語辞典

【動画付き】立体物にフルイドアート3 星型オーナメント・くるみボタンベース編

立体物にフルイドアートというテーマの動画3本目。
素体は金属の星型オーナメントとくるみボタンベースです。

今回の素体は両方とも金属製です。
金属にアクリル絵の具を乗せる場合の下処理も紹介します。

下処理

ダイソーの星型オーナメントです。
ブリキの星飾りはアメリカンなインテリアによく登場します。

ブリキに塗装がしてあります。
塗料は何かはわかりませんがたぶん油性塗料でしょう。
このまま水性であるアクリル絵の具を乗せると
弾いたり乾燥後に剥がれたりする恐れがありますので下処理します。

下処理方法は“足付け”です。
足付けとは下地の表面を紙やすりなどでこすってざらざらにすることです。
そうすると表面積が増えて塗料画が食いつき、剥がれにくくなるのです。
今回紙やすりは320番を使いました。
240番から400番くらいがよく使われるようです。
表面のツヤがなくなって白っぽくなるまでこすります。

この写真では白っぽい上の方が足付け済み、黒っぽい下の方がまだの部分です。

星型オーナメント

絵の具は3色使いました。
今回は絵の具を弾きやすい素体に描くので、絵の具を固めに溶きました。

凹凸の高いところから絵の具を流していきます。

例によってこぼれた絵の具をすくい取ってのせ直します。
絵の具が堅いので、炙ってもセルはほとんど発生しませんでした。

2つ目はこの3色を使いました。

乾燥後・完成

くるみボタンベース

ダイソーのくるみボタンベース・38mmです。

星型オーナメントと同じように足付けしました。
左が足付け前、右が足付け済みです。

星型オーナメントを作った時に
コップの底に残った絵の具を使います。

くるみボタンベースは少しの絵の具でできるので
カップに余った絵の具や、ほかの作品を作ってこぼした絵の具をすくってでも
いくつも作ることができます。
ですのでいつでもすぐに作ることができるように
足付けしておいたものをいくつもキープしておいています。

乾燥後・完成

これをボタンやバッチにする場合は
絵の具面を保護する加工が必要です。
アクリル絵の具の画面は柔らかいのですぐに傷が付いてしまったり、
プラスチックのものに癒着してしまったりするからです。

絵の具が完全に乾燥してからUVレジンでコーティングするのが一番簡単です。
UVレジンは少量でしたら100均で買えます。
絵の具にシリコンオイルを入れている場合は
レジンを塗るときに弾いてしまうことがあるので、
絵の具の完全乾燥後に薄めた洗剤水で軽く拭いてください。
その後も完全乾燥させてからレジンを塗ってください。
硬化前のレジンと水は相性が悪いのです。

失敗例

側面の絵の具が弾いてしまっています。
原因として考えられるのは
1 足付けにむらがあった
2 絵の具の粘度が弱かった(ゆるかった)
3 油分をつけてしまった(うっかりシリコンオイルが…とか)
4 絵の具に混ぜたシリコンオイルが多すぎた
です。

こうなった場合は頑張って修復するより上書きする方が早いです。
洗剤水で洗って油分を取り、
露出した金属部分に新たに足付けして
新たな制作の基材として再利用しましょう。


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【動画付き】立体物にフルイドアート1 半球・キューブ編
フルイドアート 用語辞典

【動画付き】立体物にフルイドアート2  ドーナツ型編

立体物にフルイドアートというテーマの動画、2本目です。
今回はドーナツ型大小です。

ドーナツ型のベースは発泡スチロール製のリースベースを使用しました。
(ダイソーで購入)

発泡スチロール特有の“目”を隠すために
ジェッソで下塗りをしました。
下塗り方法のページははこちら↓
【動画付き】平滑な画面を作るための下塗りの仕方 forフルイドアート・アクリル絵画

下塗り済み

絵の具は4色使いました。
全色にシリコンオイルを3・4滴入れました。

ドーナツ大・白い地塗りに直接絵の具を流す

白ジェッソ地塗りの完全乾燥した状態の上に
アクリル絵の具を流していきます。

なにやらおいしそうな感じになってきました。

垂直部分に絵の具が流れていかなかったので
こぼれた絵の具をすくい取って修正をします。

手を入れた部分が多少不自然になっても
重力と時間が自然な感じに直してくれることを期待します。

どうなることかと思いましたが
絵の具は足りたようです。

乾燥後、完成

ドーナツ小・濃色のベースカラーの上に流す

いっそうんとおいしそうにしてやろうと
ベースにチョコレートを思わせる色を塗ることにしました。

ケーキをデコレーションしている気分です。

今回はベースカラーを生かしたいので
修正はほどほどにしておきます。

乾燥後・完成

まとめ

流した絵の具は同じものですが
白い下地に流したものと
濃色のベースカラーの上に流したものとでは
発色が違います。

白い下地の上の絵の具は
発色が明るくつややかです。
濃い色の下地の上の絵の具は
発色は沈みますが深みがあります。
仕上がりを想像しながら
下地の色を考える時間も楽しいですね。


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【動画付き】フルイドアート 3種類の絵の具の注ぎ方とその特徴
【動画付き】フルイドアートの作り方

【動画付き】平滑な画面を作るための下塗りの仕方 forフルイドアート・アクリル絵画

フルイドアートを制作していて気になること。それは
絵の具を流した直後はふっくらつやつやな絵肌が、
乾燥とともにやせていってキャンバスの目がくっきり出てしまうことです。

フルイドアートのなめらかな流体模様に格子状のキャンバスの目は合わないような気がしたので、
フラットな絵肌になるように地塗りをしてみました。
その工程を皆さんにシェアしたいと思います。

下地作り

下地材を塗る

用意したのはダイソーのF3サイズのキャンバス。
ジェッソ、#400位の耐水ペーパーです。

ジェッソとはアクリル系の下地材です。
キャンバスや木材などの絵の支持体に塗って制作を助けます。
ジェッソの材料に含まれる炭酸カルシウム(石灰)が
支持体(キャンバス、紙、木など)の目を埋めて平らにしてくれます。

キャンバスに刷毛でジェッソを薄めずに塗ります。
キャンバスの目に埋め込むようにしっかり塗ります。
とりあえず刷毛目は気にしなくてもよいです。
でも刷毛の毛が抜けて張り付いた場合はとってください。
側面にも塗ります。

表面が乾いたら重ね塗りします。
キャンバスの目の粗さやジェッソの濃さによって違いはありますが、
私は5回重ね塗りしました。
繊細な細密画を描く方は10回以上重ね塗りするそうです。

水研ぎする

よーく乾燥させてから水研ぎして刷毛目を消します。
#400の耐水ペーパーを当て木に巻き付けて、水をかけて優しく研ぎます。


ジェッソは柔らかいのですぐに削れてしまいます。
こすりすぎ注意です。
キャンバスの木枠のところは力が入りやすく削りすぎになりやすいので注意しましょう。
削りかすで水が粘土状になってきたら拭き取って水を新しくかけます。
側面も忘れずに。

動画撮影用にテーブルの上で水研ぎしていますが
普段は流しでやっています。
後始末が楽ですから。

紙やすりを使って磨くこともできますが
耐水ペーパーを使った水研ぎおすすめします。
その理由は
●摩擦で熱くなりにくいので、やけどなどをしないですむ。
●水で削りかすを流しながら研ぐので、目詰まりしにくい。
●削った粉が飛び散らないので掃除が楽。
だからです。

平らな面を磨くときには当て木を使いましょう。
手のひらサイズの木の切れ端で十分です。
手にペーパーを直接持って使うと、指の丸みと柔らかさで
ムラのある仕上がりになる可能性が高いです。

フルイドアートの場合は絵の具がたっぷり乗るので
完璧につるつるに磨かなくても大丈夫です。

水で削りかすを洗い流したらよく乾燥させてください。

ダイソーのキャンバス 買ったまま
下地塗り済み

アクリル絵の具を流してみます

ではいつものように制作スタート。
今回は同じ色、同じ技法で
地塗りあり、地塗りなしの両方を作っていきます。

まずは地塗りしたキャンバスから。
フリップカップの技法を使います。


地塗りに使ったジェッソに含まれる炭酸カルシウム(石灰)が水分を吸うので
絵の具の流れが少し悪いようです。
絵の具の水分量を最初から心持ち多めにするとよいでしょう。

一晩乾かして完成。

地塗りした方の乾燥後絵肌アップ

地塗りしなかった方の乾燥後絵肌アップ。

地塗りありなしの乾燥後の比較

地塗りあり
乾燥後
地塗りなし
乾燥
地塗りなし
乾燥後

木材にもやってみました。

まとめ

完成時の絵肌に関しては好みがあると思います。
私はつるつるの絵肌の方がフルイドアートの流動感を損なわないように感じるので好きです。
さらにグロスメディウムを塗ってテカテカにしたいぐらいです。

作業がめんどくさいけどつるつる絵肌にしたいという方!
最初から表面がつるつるの支持体を選べばよいのです。
私はプラバンをよく使います。
ほかにもユニペーパーを貼ったパネルとか、金属板、タイルなど実は選択肢はいろいろあります。
キャンバスにこだわる必要なんてありませんよー。
まあ、キャンバスは飾るとき便利だし、軽いし、再利用がきくし…


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【動画付き】フルイドアート ダイソーミルクペイントを使ってネイチャーな大理石模様を作る。

以前に作った動画『ダイソーミルクペイントを使ったフルイドアート制作
で残ったミルクペイントを使って、いつもより大きな作品を作ります。

キャンバスにするのははダイソーのMDF材30×40㎝、厚さ6㎜です。

大きさがあるので乾燥後には反りが出ます。
それでも同じサイズの一枚板や薄い合板よりは反らない方だと思っています。
多少の反りは気にならない使い方をする場合にのみおすすめします。
きっちり額装して飾りたいとか、
家具の化粧板として大きく使いたいとか計画しているのなら
張りキャンバスや、もっと厚みのある合板を使うといいでしょう。

ミルクペイントは8色を使いました。
全9色のラインナップだそうですが、近所で買えたのはこの8色でした。

今回の制作では最初思い通りにはならず、結局連続三回作ることに。
そこから新たな気づきがあり、コツもつかむことができました。
そのプロセスを見ていただきたいと思います。

1回目

容器に直接水を加えて好みの堅さに調整します。
色によって結構固さが違いました。
そして意外なことに臭いにも違いが。

今回は瑪瑙のような縞模様を目指したいので、セルを生むためのオイルは入れませんでした。

大きなカップにカラーを層状に注いでいきます。
このときちょっとした違和感があったのにスルーしてしまいました。

画面に縞がよく出るようにちょっとカップを揺らしながら注いでいきます。

なぜか黄色ばかりが目立ちます。
濃い色と淡い色の縞模様を期待してカラーを交互に入れておいたのに!
白やピンクや水色は何処へ行ったのかな?

最後にの方になってから淡色が出てきました。
でもなんでこんなに少ないの?

途中でカラーが足りなくなってきました。
カップにたっぷり作ったのにです。
原因として考えられるのは、キャンバスにしたMDF材に下地を塗らなかったから。
カラーの水分を材がどんどん吸って、カラーの延びが悪くなっているのです。

小さな作品の場合には問題なかったことですが、
大きくすることでこういうことがおきてくるんですね。
今回は画面からこぼしたカラーを再利用したり
カップの底に残った絵の具をかき集めたりして何とかしました。

↑撮影用のライトと私の影が映り込んじゃってます(^^;)

↑完成、乾燥後です。ミルクペイントはマットな仕上がりになります。
ツヤが欲しい場合は別途つや出しトップコートを塗ってください。

ダークカラーの作品になりました。

赤と黒のマーブル模様は、天然檜一枚板の銘木のようです。
つや出しトップコートをたっぷり塗ってツヤツヤにしたらゴージャスかも。
まあかっこいいけど、目指していたのとは違う、もう一回!

2回目

1回目と同じく、カップに層状にカラーを注ぎます。
ここでさっきの違和感の正体に気づきます。
注いだ順番の縞模様がカップの中にできていません。
普通はこうなります。

2回目も淡色濃色と交互にカップにカラーを注ぎました。
でも濃色は注ぐと上部に重なっていき、淡色はカップの底に沈んでいきました。

色によって比重に差があるということです。
このカラーは濃色が軽く、淡色が重い。
これはきっと白の顔料が重いのでしょう。

やっぱり前半に濃色ばかり、後半に淡色ばかりが流れてきました。
こうなることを予想して画面に注いだので絵としてのバランスはとれました。

完成したのはこれ。
岩礁に波が砕けているようで結構気にはいっていますが、
もっと明るい色の作品に仕上げたい、もう一回!

3回目

淡色をメインに使い、濃色は2割程度にとどめます。
それでも最初に流れてくるのは濃色です。

ちょっとカラーが足りなくなったので、残っていた赤と茶を隅に垂らしてみました。
これが後の悲劇の原因になろうとは。。。

いい感じに淡色がちな画面になっています。
が、画面の隅に不吉な赤色が。

赤色がどんどん浮かんできます。
流して画面からこぼします。

ああ、なんか茶色も浸食してきました。

赤色が浮いてくる部分には、上からほかの色のカラーを掛けても効果なし。
動画には移っていませんが、赤色カラーをパレットナイフで削り落としたりもしたのですが、それでも浮かんできました。
なんかもうホラー的です。

結果はこれ。

茶色もぽつぽつ浮かんできて斑点ができてしまいました。
淡色カラーは時間とともに少しずつ沈んでいって、
乾燥前と後ではずいぶん色味が変わりました。
中央部分はは気に入っているので、トリミングして飾ろうと思いました。

↑こんな感じに

まとめ

・ダイソーミルクペイントには色によって比重が違う。
 これはほかの絵の具でもあり得ることである。
・絵の具の比重の差は、フルイドアートにとって仕上がりへの影響が大きい。
・初めて使う絵の具では試し制作をするべし。
・大きな作品の時は下塗りした方がいい。


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フルイドアート 用語辞典

私が現在使っている技法や画材についての知識をメモしておきます。
新しい知識が得られたら随時追加します。

ア行

アクリル絵の具 Acrylic paint/Acrylic color
顔料の固着剤にアクリル樹脂を使った絵の具。
一般的に売られているのは水溶性。
水彩絵の具と同じように水で溶けるが、乾くと耐水性。
接着力が強く、紙以外にも金属、ガラス、コンクリート等いろいろなものに描ける。

アクリルガッシュ
水性アクリル絵の具の一種。
固着剤が水性アクリル絵の具に比べて少ないので、色が鮮やかで乾燥が早い。
マットな仕上がり。
厚塗りするとひび割れるので、フルイドアートにはあまり向いていない。

アクリリックフルイドアート Acrylic Fluid Art
アクリル絵の具を使用したフルイドアート。

カ行

加熱 Heating
フルイドアートにおいては、セルの生成を促すために絵肌に熱を加えること。
ガストーチやライター、ヒートガンなどで、一瞬高温を加える。

サ行

シリコンオイル
フルイドアートではセルを作るために絵の具の中に少量添加する。
表面張力が弱いため絵の具の表面で広がりやすい。
粘度が選べる。
不燃性なので加熱してセルを発生させる時にも引火の心配が少ない。
無色・無臭・純粋なものを選んで使いたい。

スクラッチ scratch
[動]ひっかく
ナイフや棒、櫛などで絵の具をひっかき、マーブル模様に変化をつけたりする。

スワイプ Swipe
画面に触れた状態で滑らせること。
フルイドアートではパレットナイフやへら、ペーパーなどを絵の具表面を滑らせ
色の位置を変化させたりセルを発生させたりする。

セル cell
[名]細胞、(独立した)小部屋、(蜂の)巣穴、(表計算ソフトの)マス目
フルイドアートにおいては水性の絵の具の中に混ざった油の粒が反発することによってできた模様のこと。

セル

ハ行

PVA洗濯のり
ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol, PVA)という合成樹脂で作られた洗濯のり。
乾燥後も水に溶けるので、アクリル絵の具に混ぜて使う場合にPVAの比率が高いと耐水性が下がる。
フルイドアートではアクリル絵の具に混ぜて使う。

フリップ flip
[動]さっと裏返す、ひっくり返す
フルイドアートではカップに使用絵の具を層状に全部入れてから、画面の上にひっくり返して
絵の具を流す技法。

フルイド Fluid
[名]流体、流動体 [形]流動体の、流動性の、流動的な

フルイドアート Fluid Art
絵の具の流動性を利用して描くアート技法、その作品のこと。
アクリル絵の具やペンキ、レジンなどを使ったものが主流。

フロー Flow
[動]流れる [名]流れ

フローアート Flow Art
フルイドアート。

ブロウ blow
[動]吹く、吹き付ける、吹き飛ばす
フルイドアートでは息を吹き付けたり、ドライヤーやブロワーを使って絵の具を動かす。

ペインティングナイフ・パレットナイフ
油絵の具やアクリル絵の具のように粘りけの高い絵の具に使用するナイフ。
ペインティングナイフは画面に絵の具を盛り上げたり、逆に削り落としたりするのに使われる。
パレットナイフは主にパレットを掃除するのに使われる。
フルイドアートでは面積の広いパレットナイフが使われることが多い。
パレットナイフは製菓用のものでもよい。

ポーリング Pouring
[動]注ぐ、流す

ポーリングアート Pouring Art
注ぎ込み技法。フルイドアート。

ポーリングメディウム Pouring Medium
リキテックス社から販売している水性アクリル絵の具用メディウム。
このメディウムに絵の具をを混ぜると違う色同士が混ざり合わなくなり、マーブル模様などができる。
フルイドアートでこのメディウムを使うとセルが美しくできる。

マ行

マーブル marble
大理石のこと。大理石のような模様。

木工用ボンド
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤で木・布・紙の接着に使用する。
水性で使いやすく安全、乾燥すると透明になる。
フルイドアートではアクリル絵の具に混ぜて使う。


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【動画付き】フルイドアート 3種類の絵の具の注ぎ方とその特徴

今回は絵の具の画面への注ぎ方3種を動画にしたので
その内容についてを書いていきます。

絵の具の注ぎ方で画面はそんなに変わるのか?

変わります!
フルイドアートは超短時間でできあがってしまうアートなので
最初に行われる『色配置』の影響がとても大きいのです。

もちろんその後に行われる『絵の具流し』や『スワイプ』などの画面調整も大事です。
ですが、最初に画面に置かれた色は『セル』の色にも大きく影響します。
それに色と色との隣り合い方や重なり合い方が、この3種類の注ぎ方で
ものすごく変わるのです。
では実際に見てみましょう

画面に直接各色を同心円状に注ぐ

画面に単色の絵の具を順番に流していきます。
確実に絵の具が重なり合うように、同心円状に流していきます。

パレットナイフでスワイプ。

最後に注いだ青色が優勢です。

ストローで息を吹きかけて絵の具を動かし、変化をつけます。
タピオカ用の太いストローを使いました。
(ダイソーで購入)

完成

余った絵の具で作った小品です。

この注ぎ方の特徴

●主役になる色が決まっていてそれを生かすなら、この注ぎ方が間違いないと思う。
●模様が大ぶりで、コントラストのはっきりした作品に仕上がる。
●スワイプやスクラッチ、ブローなど自分で模様をコントロールする余地がある。

一つのカップに積層状に絵の具を入れてから画面に注ぐ

カップに絵の具を入れます。
違いを比較できるように、同心円の時と同じ順で絵の具を重ねます。
シリコンオイルは絵の具が単色のうちに混ぜておいてください。

そのカップから画面中央に絵の具を注ぎます。
繊細な縞模様が広がっていきます。


先ほどの同心円注ぎの時とは逆で、一番下の色が優勢なようです。

美しい縞模様を壊したくないのでスワイプはしないでいきます。
加えるのは熱だけ…。

完成

こちらはシリコンオイルを加えなかった作品です。
完全に縞模様を楽しむ仕様です。

この注ぎ方の特徴

●細かい縞模様が出来る。
●セルを作らないで縞模様を楽しむという選択肢がある。

一つのカップに積層状に絵の具を入れてから画面に一気にひっくり返す。

一つのカップに絵の具を注ぎ入れるのは、上のやり方と同じです。
カップを画面の上にいきなりひっくり返すのは
絵の具が飛び散る危険があります。
キャンバスで蓋をしてからひっくり返しましょう。

絵の具が下まで流れきってから、ゆっくりカップを外します。
絵の具がどんな表情を描いてくれるか楽しみな瞬間です。

美しいグラデーションができました。
これは生かしたいのでスワイプはしないでおきます。
でもセルは欲しいのでガストーチで熱は加えます。

完成

この注ぎ方の特徴

●絵の具の色の境目が美しいグラデーションを描く。
●コントラストの強い色選びをした場合特に効果的かもしれない。
●全体にソフトな印象の作品になる。

今回のまとめ


画面に直接各色を同心円状に注ぐ
●主役になる色が決まっていてそれを生かすなら、この注ぎ方が間違いないと思う。
●模様が大ぶりで、コントラストのはっきりした作品に仕上がる。
●スワイプやスクラッチなど自分で模様をコントロールする余地がある。

一つのカップに積層状に絵の具を入れてから画面に注ぐ
●細かい縞模様が出来る。
●セルを作らないで縞模様を楽しむという選択肢がある。

一つのカップに積層状に絵の具を入れてから画面に一気にひっくり返す。
●絵の具の色の境目が美しいグラデーションを描く。
●コントラストの強い色選びをした場合特に効果的かもしれない。
●全体にソフトな印象の作品になる。

フルイドアートは新しいアートです。
これからもどんどん新技法が誕生するでしょう。
今回紹介した流し方が基本になって
新しい流し型をあなたが編み出すかもしれません。
楽しみですね。


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【動画付き】フルイドアートの作り方
フルイドアートで使用する道具をそろえる

【動画付き】フルイドアート ダイソーのミルクペイントを使って制作

ダイソーのクラフトコーナーでミルクペイントを発見しました。
DIY女子に大人気の水性ペイントです。
これは使える!とその店にあった8色を買ってきました。
本当は全9色らしいのですがアースホワイトが売り切れていました。

ミルクペイントとはミルクガゼインを利用して作った水性ペンキです。
ペンキ特有のにおいがありません。
乾くと耐水性で、マットな質感になります。
色調がスモーキーなアーリーアメリカン風です。

日本ではターナーの物が有名。
ダイソーではナチュラルミルクペイントという商品名で
少量110円で販売しております。

早速制作開始

8色買いましたが5色を使って制作します。

中蓋が強力に接着されていました
輸送中に漏れたりさせません!という気概が伝わってきますが、使う時には剥がしづらいです。
まあ、剥がさずに破ればいいわけですけど。

メディウムとしてダイソーのPVA合成洗濯のり。
ペイントとのりは1:1の比率、堅さ調整は水を使いましたが、ほとんど必要がないくらいでした。
添加オイルはホームセンターで購入したスプレータイプシリコンオイルを使用。
オイルはミルクペイントを混ぜた紙コップの中に直接スプレーしました。

のびが良いようで、なめらかに流れます。
においがないところもありがたいです。

セルの生まれるスピードが速い!
加熱前から出来てきていましたが、加熱するとばばばっと生まれました。

パレットナイフでスワイプすると、絵の具が混ざります。
これはメディウムがPVA洗濯のりだけだからでしょう。
ポーリングメディウムも混ぜておけば、混ざりにくかったと思います。

スワイプで絵の具が混ざった部分も、ちょっと加熱したらセルがどんどん生まれてきて
手を加えたことによる不自然さがなくなりました。

乾燥させて完成

一晩で乾きました。

コップの底に残ったペイントを、ちょうど家にあったダイソーのMDF 材10×10cmに使用しました。
おしゃれタイルのできあがり。

なんかいいですね.
家具のリメイクに一部使ったりすると個性的な物が出来そうです。


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【動画付き】初心者向け。フルイドアートを材料全部ダイソーで揃えて作ってみた。

フルイドアートをやってみたいけどどうぐや材料を揃えるのが大変!
という方のために、すべてをダイソーで揃えて実演動画を作りました。
1000円もあれば始められます。
お試しにいかがでしょうか。


100均で揃えた材料

アクリル絵の具、キャンバスは文具コーナー。
アロマオイルは生活雑貨コーナー。
PVA合成洗濯のりは洗濯コーナー。
ターボライターは喫煙器具、仏具コーナーで買い求めました。

この写真には写っていませんが、使用した道具である紙コップ、割り箸、
息を吹きかけるのに使ったタピオカ用の太ストロー、
テーブルに敷いたビニールクロスとおぼんもダイソーで買ったものです。
スワイプに使った製菓用ナイフはセリアで買ったものでしたが。

1枚目

4色の絵の具それぞれをPVA洗濯のりと水で調整。
絵の具と洗濯のりの比率はだいたい1:1。
アロマオイルは3滴づつ入れました。

アロマオイルを買うときにちゃんと確認しなかったわたしが悪いのですが、
このオイルの材質を見ると『界面活性剤、エタノール、香料、水』とありました。
えっ?油成分は?
最初から雲行きが怪しくなりましたが、このまま強行します。
セルを作る目的で洗剤やアルコールを使っている作家さんもいらっしゃるので。
わたしにも新境地が訪れるかもしれませんから。

上の写真はスワイプした直後のものです。
絵の具が引っ張られて混ざってしまっています。
やり過ぎると濁った色になってしまいそうです。
この後スワイプした部分や息を吹きかけて絵の具を動かした部分に
思ったようにセルは出来ませんでした。

完成、乾燥後

できあがりに不満足だったのでもう一枚チャレンジします。

2枚目

2枚目は絵の具と洗濯のりの比率はそのままで
アロマオイルだけ倍の各色6滴づつで作りました。

部屋中にアロマオイルの香りが充満して、
ケミカルな香料の香りが苦手なわたしはくしゃみが出そうでした。

オイルの量を多くしたからなのか(偶然だったらがっかり)
複雑な模様が出来ています。
スワイプしたところにもセルが生まれました。

オイル(といっても界面活性剤とアルコール)の効果なのか
作業の手を止めても15分ほど絵の具が動き続けました。
おかげで原色バリバリだった絵の具がいい感じに混ざって
深みのある色になりました。

完成、乾燥後

意識して描けないような不思議な模様が生まれるところが
フルイドアートの魅力ですね。
できあがった作品はアロマオイルの香りが漂うものになりました。
好きな香りで作るとステキなインテリアになりそうですね。

興味がわいた方はチャレンジしてみて下さい。

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     フルイドアートで使用する道具をそろえる

【動画付き】比較検証フルイドアートのメディウム。ダイソーのPVA洗濯のりvs木工用ボンドvsポーリングメディウム

フルイドアートに使うメディウムはいろいろあります。
どれを使うかを決めるために比較実験をしてみました。
日本で手に入るものを対象に選んでいます。

比較実験の対象となる材料は
ダイソー・PVA合成洗濯のり
ダイソー・木工用ボンド
リキテックス・ポーリングメディウムの3種類です。

絵の具とメディウムの比率はすべて1:1。
堅さの調整は水で行いました。

PVA洗濯のり

アクリル絵の具との混ぜ具合はとてもいいです。
適度なとろみがあって、画面に絵の具が流れる感触はなめらかです。
スワイプをしたり太ストローで息を吹きかけて絵の具を動かしてみますと、
すぐにセルが出来てなかなかいい感じです。

ところが絵の具の流動がよいという利点が
あっという間に難点に変わります。
絵の具の色と色との境目が動き続け
セルもジリジリと壊れていきます。

絵の具が乾いた頃には下の写真のように
かなり細かい模様になってしまいました。
効果として狙うならいいと思います。

↑完成品・全体

木工用ボンド

ボンドは堅さがあるので絵の具と混ぜるのに少々手間がかかります。
堅さ調整に結構水を入れました。
木工用ボンドは乾く前は白く不透明です。
ですので絵の具の色は白っぽくなります。
乾くと本来の色に戻ります。

絵の具の流れる感じは最初は同じだったのですが
どんどん流れづらくなっていきました。
キャンバスに水分を奪われたのでしょうか。

セルはなかなか出てきません。
スワイプしてトーチで炙ると控えめなのが出てきました。

問題はスワイプすると色が引っ張られて混ざってしまうことです。
マーブル模様にならず、濁った色になってしまいました。
息を吹きかけて絵の具を動かしても同じです。

そして固まるのが早い!
あっという間に作業タイム終了です。
それなのに完全乾燥は3種類のうちで1番遅かった。

良かったのは、乾燥後画面がツヤツヤなところです。

↑完成品・全体

ポーリングメディウム

高価なブランド品、ホルベイン・ポーリングメディウムです。
240mlで1,815円します。

スワイプすると次々とセルが生まれます。
商品説明にもあるように色同士が混ざり合わず、
美しいマーブル模様が出来ます。

絵の具の堅さにムラがあったり、絵の具が厚くのったまま乾かすと
まれにしわが寄ったりひび割れたりします。
乾燥後の画面はマットです。

↑完成品・全体

まとめ

左からポーリングメディウム、木工用ボンド、PVA洗濯のり

PVA洗濯のり

  • コスパ最高。(750ml・100円)
  • 絵の具の堅さ調整がしやすい。
  • 絵の具がなめらかに流れる。
  • すぐにセルが出来るが、時間とともに崩れる。
  • 最終的に模様が細かくなる。
  • 乾燥後は少しツヤがある。

木工用ボンド

  • コスパ良し。
  • 絵の具の堅さ調整がしづらい。
  • 絵の具の流動性がイマイチ。
  • スワイプすると絵の具が混ざってしまう。
  • セルが小さい。
  • 乾くのが3種類の中で1番遅い。
  • 乾燥後はツヤツヤ。

ポーリングメディウム

  • お値段が高い上に、販売店が限られる。
  • 絵の具の堅さ調整は普通。
  • 絵の具がなめらかに流れる。
  • セルが美しく出来る。
  • スワイプの効果が高い。
  • 絵の具の堅さにムラがあると乾燥後にシワ・ひび割れが出来る。
  • 乾燥後はマット。

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