フルイドアート

【動画付き】比較検証フルイドアートのメディウム。ダイソーのPVA洗濯のりvs木工用ボンドvsポーリングメディウム

フルイドアートに使うメディウムはいろいろあります。
どれを使うかを決めるために比較実験をしてみました。
日本で手に入るものを対象に選んでいます。

比較実験の対象となる材料は
ダイソー・PVA合成洗濯のり
ダイソー・木工用ボンド
リキテックス・ポーリングメディウムの3種類です。

絵の具とメディウムの比率はすべて1:1。
堅さの調整は水で行いました。

PVA洗濯のり

アクリル絵の具との混ぜ具合はとてもいいです。
適度なとろみがあって、画面に絵の具が流れる感触はなめらかです。
スワイプをしたり太ストローで息を吹きかけて絵の具を動かしてみますと、
すぐにセルが出来てなかなかいい感じです。

ところが絵の具の流動がよいという利点が
あっという間に難点に変わります。
絵の具の色と色との境目が動き続け
セルもジリジリと壊れていきます。

絵の具が乾いた頃には下の写真のように
かなり細かい模様になってしまいました。
効果として狙うならいいと思います。

↑完成品・全体

木工用ボンド

ボンドは堅さがあるので絵の具と混ぜるのに少々手間がかかります。
堅さ調整に結構水を入れました。
木工用ボンドは乾く前は白く不透明です。
ですので絵の具の色は白っぽくなります。
乾くと本来の色に戻ります。

絵の具の流れる感じは最初は同じだったのですが
どんどん流れづらくなっていきました。
キャンバスに水分を奪われたのでしょうか。

セルはなかなか出てきません。
スワイプしてトーチで炙ると控えめなのが出てきました。

問題はスワイプすると色が引っ張られて混ざってしまうことです。
マーブル模様にならず、濁った色になってしまいました。
息を吹きかけて絵の具を動かしても同じです。

そして固まるのが早い!
あっという間に作業タイム終了です。
それなのに完全乾燥は3種類のうちで1番遅かった。

良かったのは、乾燥後画面がツヤツヤなところです。

↑完成品・全体

ポーリングメディウム

高価なブランド品、ホルベイン・ポーリングメディウムです。
240mlで1,815円します。

スワイプすると次々とセルが生まれます。
商品説明にもあるように色同士が混ざり合わず、
美しいマーブル模様が出来ます。

絵の具の堅さにムラがあったり、絵の具が厚くのったまま乾かすと
まれにしわが寄ったりひび割れたりします。
乾燥後の画面はマットです。

↑完成品・全体

まとめ

左からポーリングメディウム、木工用ボンド、PVA洗濯のり

PVA洗濯のり

  • コスパ最高。(750ml・100円)
  • 絵の具の堅さ調整がしやすい。
  • 絵の具がなめらかに流れる。
  • すぐにセルが出来るが、時間とともに崩れる。
  • 最終的に模様が細かくなる。
  • 乾燥後は少しツヤがある。

木工用ボンド

  • コスパ良し。
  • 絵の具の堅さ調整がしづらい。
  • 絵の具の流動性がイマイチ。
  • スワイプすると絵の具が混ざってしまう。
  • セルが小さい。
  • 乾くのが3種類の中で1番遅い。
  • 乾燥後はツヤツヤ。

ポーリングメディウム

  • お値段が高い上に、販売店が限られる。
  • 絵の具の堅さ調整は普通。
  • 絵の具がなめらかに流れる。
  • セルが美しく出来る。
  • スワイプの効果が高い。
  • 絵の具の堅さにムラがあると乾燥後にシワ・ひび割れが出来る。
  • 乾燥後はマット。

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フルイドアートで使用する道具をそろえる

【動画付き】フルイドアートの作り方

フルイドアートの作り方の動画を作りました。
フルイドアートは動的な制作過程も魅力の一つです。
絵の具が流れて変化していく様子をお楽しみ下さい。

基本の材料は前回の記事
フルイドアートで使用する道具をそろえるをご覧下さい。

まずは下準備

キャンバスの裏、角四ヶ所にプッシュピンを刺して足を作ります。
これで、絵の具が垂れてテーブルにくっつくのを防ぎます。
絵の具がだらだらとこぼれますので、
机には汚れ防止のビニールシートを敷いて下さい。

絵の具を選んで調合

アクリル絵の具を紙コップに入れます。
(写真の紙コップは90mlサイズ。 )

ポーリングメディウムをアクリル絵の具とほぼ同量入れて混ぜます。
このままでは絵の具が流れてくれる堅さではないので、水を加えて調整します。
水は少しずつ加えましょう。
わたしはガムシロップとハチミツの中間くらいの堅さを目指します。

この調子で同じ堅さの絵の具を4色作ります。
(最初の材料写真とアクリル絵の具の色が違うことをお許し下さい。)

シリコンオイルを2滴ずつ入れて軽く混ぜますます。

別のコップに絵の具を流し込みます。
ここで絵の具を入れる順番や量によってできあがりが変わってきます。

ここからが本番!

コップの上にキャンバスを伏せて重ねひっくり返します。
絵の具がコップの口に流れてくるまでちょっと待ってから・・・

コップをそっと外すと絵の具が流れてきます。

キャンバスを傾けて絵の具を流します。
絵の具が流れてくれたかった部分や、色のバランスが気に入らない部分を
コップの底に残った絵の具でちょっと修正。

側面も画面ですので、塗り残しの無いように絵の具をのばします。
指で絵の具をのばすくらいで十分です。

時間とともに次々とセルが生まれてきます。
画面をガストーチで軽くあぶり、その熱でシリコンオイルを刺激して
大量のセルを生み出します。
(やり過ぎ注意。絵の具が焦げます。)

完成です

よく乾燥させて完成です。
乾燥には一晩くらいかかると思って下さい。

同じレシピでもう一枚作りました。
表情が全く違います。
この思いも掛けない結果がフルイドアートの魅力です。
額装しなくても飾れます。


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フルイドアートで使用する道具をそろえる

フルイドアートを始めるのに必要な材料・道具を解説します。
失敗したくない人のために、正統派の材料です。

【必須】
1.アクリル絵の具
2.メディウム
3.シリコンオイル
4.水と水差し
5.キャンバス
6.紙コップ
7.割り箸
8.プッシュピン
ビニール袋

【あった方がいいもの】
9.ガストーチ
10.ゴム手袋
11.ウエス
エプロン

アクリル絵の具

大容量のアクリル絵の具がおすすめです。
絵の具の消費スピードがすごいのです。
アクリルガッシュはちょっと使いにくいので、
新たに買うのなら上の写真のような絵の具を求めて下さい。
アクリルガッシュの失敗談はこちら↓
超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと。

メディウム

無くても出来ると言えば出来ますが、描き心地も仕上がりも違います。
色同士が混ざり合わなくなるので仕上がりの発色が美しい。
絵の具もなめらかに流れます。

↑リキテックス ポーリングメディウム
現在、日本の画材店で手に入りやすいものはこれです。

シリコンオイル

不純物が入っていなくて、無色透明のものを選んで下さい。
スプレータープのものを使う場合は瓶などの中に出しておいて下さい。
ホームセンターで売っています。

水と水差し

水は絵の具の堅さを調整するのに使います。
水差しは何でもかまいません。
コップからスポイトで入れてもいいし、ヤカンから注いでもいい。
要はちょっとずつ水を注げればよいのです。

キャンバス

描く素材です。
アクリル絵画用の張りキャンバスがよいでしょう。
水彩ボードを使って失敗した話はこちら↓
超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと3

紙コップ

プラカップでもOK。
絵の具を混ぜたり、キャンパスを支えたりするのに使います。
ほぼ使い捨てです。

割り箸

絵の具を混ぜるのに使います。
混ぜられれば何でもいいので、アイスのへらでも棒きれでもいいです。

ビニール袋

絵の具をキャンバスからだらだらと流しますので、テーブルが汚れないように敷きます。
新聞紙だけでは心許ないのでビニールがいいです。

ガストーチ

これを使うとセルがパッと出てきて楽しい。
ヒートガンでも代用できますが、風圧の影響が出ます。

エプロン

アクリル絵の具は服につくと落ちません。
汚れてもいい服装で挑みましょう。

ゴム手袋

手が汚れるのを防ぎます。
手を汚さないように絵の具を流すのは、不可能です。

ウエス

紙でも布でも。
キッチンペーパーもよいです。
ティッシュペーパーやトイレットペーパーはちょっと弱いかな。

以上が基本の材料・道具です。
次の記事は実践編です。
【動画付き】フルイドアートの作り方


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フルイドアートとは何か?

アイキャッチ

フルイドアートとは絵の具の流動性を利用して制作された芸術作品を指します。
液体の絵の具の流動性(fluid)が描き出した芸術(art)という意味です。

ポーリングアートと呼ばれることもあります。
ポーリング(pouring)とは注ぐこと、流れでることを意味します。
絵の具を注ぐアクションを表現している名称ですね。

使う材料によって種類分けされる

最もよく使われている材料はアクリル絵の具です。
アクリル絵の具を使ったフルイドアートは『アクリリックフルイドアート』と呼ばれています。
材料が手に入りやすく、短時間で手軽に出来ます。
やっている人が多いのでテクニックも次々とあみ出されています。

アクリリックフルイドアート

レジンを使ったフルイドアートもあります。
元々が透明なレジンを使っているので、作品の透明感と奥行き感は抜群です。
ただ材料の値段が高いことや制作時間が長いことなどがあり、手を出しにくいものであります。
(レジンの硬化に平均48時間ほどかかります。)

レジンフルイドアート

アルコールインクアートもフルイドアートの仲間です。
インクを吸わない素材の上にアルコールインクを数色垂らして、
その広がり具合を楽しむアートです。
アルコールインクはすぐに乾くので、制作から完成までの時間が1番早い。

日本の伝統技術である『墨流し』もフルイドアートでしょう。
ウィキペディア(Wikipedia)・墨流し
自然と偶然が生み出す美を楽しむのは日本人の心性にピッタリではないでしょうか!
トルコのマーブリング技法もはいりますね。

じゃあマーブルケーキも???
わたしは入れたいと思っています。

まずは一般的なアクリリックフルイドアートについて

このブログではアクリリックフルイドアートを研究していきます。
材料が手に入りやすく、初心者にも敷居が低い。
それでありながら奥が深くて探求のしがいがありそうだからです。

基本材料はアクリル絵の具とオイルです

アクリリックフルイドアートの材料で欠かせない物は
アクリル絵の具とオイルです。
二色以上のアクリル絵の具をキャンバスの上に流し、流動によって出来た模様を楽しみます。

水性であるアクリル絵の具にオイルを数滴垂らすとどうなるでしょうか。
水と油が反発し合って思いも掛けない模様が浮かび上がります。
細胞に似たこの模様を『セル』と呼んでいます。

フルイドアート

このセルがアクリリックフルイドアートの醍醐味だと思います。
セルを出すために添加するオイルについて多くの人が研究し、
いろいろなレシピが生まれています。
このブログでも順次実験していきます。

これから始めたい人に伝えたいこと

フルイドアートのメリットとデメリットをあげていきます。

■メリット

  • 誰でも始めることが出来る。(小学生でもぶきっちょさんでも)
  • 仕上がりが予想できないことから新鮮な感動が生まれる。
  • 制作時間が短い。
  • 新しいアート・ムーブメントに参入出来る。

■デメリット

  • 絵の具が服などについたら落ちない。
  • スクールなどが見つけにくい。
  • 技法が確立していないので迷う。
  • 知名度が無いので「古井戸アートって何さ?」とか言われる。

偶然にゆだねるフルイドアートはそれ故に精神性が表れると感じています。
瞑想に似たヒーリング効果を得ることもあります。
そんなフルイドアートを楽しみましょう。

フルイドアートを重ねて保管する方法(アクリル絵の具の作品全般適応)

気がつくと飾りきれないほどの数がたまっているフルイドアート。
短時間で楽しく出来てしまう功罪でしょうか。

アクリル絵の具の作品は無造作に重ねてしまっておくと、画面がくっついてしまい台無しになってしまいます。

あの台所用品で画面保護!

作品の画面部分にクッキングシートをあててしまえばくっつきません。
〝クッキングシート〟とはオーブンで料理やお菓子を焼く時に天板や焼き型に敷くシートで、
シリコンで加工してある耐熱紙です。
〝オーブンシート〟や〝ベーキングシート〟などとも呼ばれています。

専用商品も売っています

商品名もそのまま〝ホルベイン 画面粘着防止・保護紙 クッツカーネ〟
1.08m×6m巻きで3,200円(amazon)

シリコン加工した紙であることはクッキングシートと同じです。
大きな作品の時にはこちらを買った方がいいでしょう。
というのも、小さなクッキングシートをつなぎ合わせて大きく使おうと思っても、
シリコン加工してあるので接着剤も粘着テープも効かないのです。

で、今のところわたしの作品は小さいです。
幅30cmのクッキングシートならA3サイズまで対応できます。
そして大事なところはスーパー・ホムセン・100均でお安く買えるところ。

わたしはA4プラバンの作品を、蛇腹状に折ったクッキングシートの間に挟んで、
書類ケースに入れて保管しています。
もう一つ忘れてはいけないことは、直射日光が当たらないところにしまうこと。
紫外線で変色したらがっかりですよ。

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フルイドアートの基底材に透明プラバンを使っているわけ

アイキャッチ

セリアのプラバンを愛用

わたしはフルイドアートの作品を作るときの基底材に、
主に透明プラバンを使っています。

セリアの透明プラバン

100円ショップのセリアで売っているA4透明プラバン・厚さ0.4mm ノンシリコンタイプです。
近所のセリアで買いまくったので、最近ではたくさん入荷してくれて助かっています。

レジン作品の素材として使うことが多いから

現在わたしはフルイドアートをそのまま飾るのでは無く、素材として使用しているからです。
主に撮影してデジタル利用するか、レジン作品制作の素材として使用しています。
レジンの素材として使用するときに、基底材がプラバンだと都合がいいのです。

レジンの透明さを生かした作品作りに最適

上の写真は透明プラバンに透明部分が出来るように絵の具を流したフルイドアートを
アクリル板に貼り付けて、その上から別に作っておいたレジンの部品を貼り付けた物です(部分アップ)

透明部分のあるフルイドアート
透明部分のあるフルイドアート

流す絵の具のうちの一つを透明メディウムにしておくと、このようにプラバンの透明さを残しておくことが出来ます。

しかもプラバンははさみで切ることが簡単にできます。
形も大きさも自由自在で、アクセサリーパーツも出来ます。

ノンシリコンタイプなら絵の具ののりも良いし、剥がれたりしません。
他にも利点がたくさんあります。

  • 安い
  • 手に入りやすい
  • 保管場所をとらない
  • 反らない などなど

まだしばらくは基底材にプラバンを使い続けるつもりですので、
セリアさん、よろしくお願いします。
生産中止にしないでね。

フルイドアートにイベントカラーを試してみました。

たっぷりの絵の具を画面の上に流して描きあげるフルイドアート。
普通に絵を描くのと比べると、30倍以上の絵の具を使っている気がする。
(感覚的に。計ったわけじゃない。)

ここで少しでもリーズナブルな絵の具を求めるのは人情でしょう。
そしてちょうど我が家には、以前バイトで使ったイベントカラーの残りがあったのです。

イベントカラーとはターナーから発売されているアクリル絵の具です。
学校行事などのイベントに使用されるもので、大容量でコスパも良い。
そこらのホームセンターで購入可能なところもグッドです。

イベントカラー

ひび割れました

絵の具を流しているときは調子よかったんですが、乾くとひび割れました。

イベントカラーを使ってひび割れた作品。

この作品では白絵の具だけがイベントカラーです。
いや、以外とかっこよく仕上がりましたよ。
まるで衛星写真の北極圏みたいです。
でも求めていた物とは違います。

厚塗りには適していなかった

パッケージにはちゃんと
『厚塗りすぎると、ひび割れることがありますのでご注意下さい。』
と書いてありました。
読んでいませんでした。

もうちょっと試してみました

ためしにイベントカラーとメディウムを1:1でまぜて
堅さを水で調整して塗ってみました。
メディウムはホルベイン アクリリックカラー クリスタル ジェル メディウムです。

最初の作品と比べると少ないですが、やっぱりひび割れています。

フルイドアートのようにドロッと絵の具を流してそのままという塗り方は、
他の絵画ではタブーとされがちな〝いっぺんに厚塗り〟とか
〝一回で盛り上げ〟の範疇なのでしょう。
そういった塗り方に耐えられる絵の具を選ぶことが大切です。

結論・イベントカラーはフルイドアートに向いていない

ただし逆にひび割れを効果として狙うなら有り!
でも剥がれたりと、耐久性に問題がありそうなので、
上級者になってからの研究対象にしたいとおもいました。

◆余談◆
イベントカラーはマットな仕上がりが自慢の絵の具です。
実験ではそれに同量のつや出しメディウムを混ぜたのですが、
イベントカラーのマットさが優勢でした。

超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと3

今回は基底材についてお話しします。
前回の話は
超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと2
をお読み下さい。

基底材とは絵が描かれる物のことです。
支持体とも言います。
画用紙やキャンバスがよく使われているもので、ほかに木や布等いろいろあります。

今回わたしが使ったのは写真の水彩ボードです。

失敗!ボードは使わないで!

ぜんぜんだめです。反りました。
そりゃあペラペラの画用紙ではダメだとは思ってたけど、
厚みがあってサイズも小さめのボードなら大丈夫だと高をくくってたんです。

絵の具を流したらその水分ですぐに反り始めました。

当たり前ですが液体は低いところに流れます。
画面が反れば絵の具は低いところに流れ込み、模様の形成に大きな影響を与えます。
下の写真では両端が反り返ったので中央部に絵の具が流れ込んだ模様になっています。
(狙ってやったのならカッコイイかも)

しかもボードの反りは乾いても戻りません。

結論・支持体には気を遣うべし

支持体には気を遣え、なんて絵画の基本中の基本な結論に達しました。

アーティストの皆さんはキャンバスを使っていますよね。
アレはアクリル絵画用なのでしょうか。
そして側面にも絵の具を垂らして、額装なしでも飾れる作品に仕上げています。

他にも厚手の板や石など堅い物を使っているようです。
水彩ボードは厚紙なのでやはり水には弱かったようです。

後日2mm厚のベニヤ板を使って実験してみました。
反りました。
水彩ボードほどの反りではありませんが、使用しない方がいいでしょう。

◆余談◆
最初この記事を書くときに『反る』を『ひのる』と書きました。
変換が変なのでネットで『ひのる』を検索したら出てきません。
でも北海道弁で『しのる』というのが『反る』の意味だと出てきました。
わたしは道産子なのに北海道弁さえも間違っていたようです。
がっかり。。。

超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと2

今回は添加物のシリコンオイルについて話します。
前回の話は
超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと。
をお読み下さい。

物置から引っ張り出したスプレー缶入りシリコンオイルです。
雪はね用プラスチックスコップに、
雪離れがよくなるようスプレーするために買った物です。

無溶剤だし無色透明、これでいい!と思ったのですが…

セルができなかった

そもそもなんでシリコンオイルを添加するか?
絵の具に混ざった油の粒が浮いてくる過程で、絵の具が押しのけられて
〝セル〟と呼ばれる模様ができます。
それを期待しているのです。

上の画像では、細胞のような模様が見られます。それがセルです。
今回は全く観られませんでした。(↓)

理由はいくつも考えられます

  1. シリコンオイルの純度が低かった。
  2. スプレータイプだから。
  3. オイルの粘度が合っていなかった。
  4. 量に問題があった。
  5. 絵の具の堅さに問題があった。
  6. シロートが一発でできる物じゃない。
  7. 運が悪かった。etc

まあ、6番かな。
って言ってたら話が進みません。
検証、実験してみました。

1,シリコンオイルの純度が低かった、のか?

缶には『 成分 :シリコンオイル、噴射剤』と書かれています。
噴射剤とはなんぞやと調べてみたらLPGガスのことでした。
超揮発性で影響は無いと思うのですが、わかりません。

2,スプレータイプだから、か?

最初溶いた絵の具が入ったカップに直接スプレーしました。
霧状のオイルでは粒が小さすぎてセルにならなかったのでしょうか。
動画では直接カップ内にスプレーしていた人もいたのです。

やっぱりオイルの粒が小さすぎるのが原因かと思い、
別容器にスプレーしてから絵の具に落としてみました。
セルはできませんでした。

3,オイル粘度が合っていなかった、のか?

シリコンオイルについてググってみると
オイルには粘度があることがわかりました。
スプレー缶入りは水みたいにサラサラしています。
もっと油らしいとろみがあった方がいいのでしょうか、わかりません。

4,量に問題があった、のか?

スプレーを別容器に出してみてわかったのですが、
霧状って液体にするとものすごく量が少ないのですね。
容器の底に結構噴射して溜めても、
シュワシュワーってガスが揮発した後に残るオイルはほんの少しだったのです。

こりゃ足りなかったんだわ、とがんばって出して
もう一度チャレンジしてみたのですが、セルはできませんでした。

5,絵の具の堅さに問題があった、のか?

絵の具か堅いとオイルがうまく浮き上がってこられなくて
セルができないこともあるそうです。
これは後から調べてわかったことなので、この当時は検証できませんでした。

6,シロートが一発で出来る物じゃない、のか?

そういうものかもしれません。
つまり作者の経験の積み重ねによるものと。
実際何枚も作っているうちに出来るようになってきました。

でもそれでいいのかな。
その『素振り100回!』みたいな感じがあると、今の時代普及しないんじゃないのかな。
いやべつに、普及させようとか大志を抱いているわけじゃないんだけど。

7,運が悪かった、のか?

実はこれなんじゃないかと思っています。
だいたいフルイドアートは絵の具の流れに依存したもの。
偶然に出来た模様を楽しむものなのだから。

実際、同じ日に同じレシピで作った作品でもセルの出方が全然違います。
オイルを入れてもセルが出来ない日もあるし、
入れ忘れたのに出来ている日もあります。

まだまだ研究が必要

わからないことだらけです。

セルを作るための添加剤はシリコンオイルの他にもいろいろあります。
アロマオイルや洗剤、アルコール等です。
これから一つひとつ試していこうと思います。

◆余談◆
スプレー缶入りシリコンオイルを出すときに飛び散ったらしく、
床が滑りやすくなりました。要注意!

超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてみてわかったこと。

YouTubeでフルイドアートの製作実演を観て、
すぐに自分でもやりたいと鼻息を荒げたわたし。
家中を探して使えそうな物を集めました。

メインの絵の具はチューブ入り半練りアクリルガッシュとメディウム。
添加物はスプレー缶入りシリコンオイル。
描く素材(基底材・支持体とも言うね)は水彩ボード。
あと道具として紙コップ、割り箸、水差し。

仕上がりはそこそこ面白い物ができたけど、不満点もたくさん。

不満点を改善するためにまずは材料をひとつずつチェックしていくとしましょう。

  • 絵の具:チューブ入り半練りアクリルガッシュ
  • 添加物:スプレー缶入りシリコンオイル
  • 基底材:水彩ボード

チューブ入り半練りアクリル絵の具は向いていないかも

家にアクリル絵の具があるよ!って人が持っている絵の具って
大抵チューブ入り半練りタイプだと思います。
昔から画材屋で売っているのはこれだし、100均で売っているのもこのタイプ。
わたしもご多分に漏れずこれでした。(15年くらい前の物)

始めてすぐに扱いづらさに気づきました。

堅さの調節が難しい

フルイドアートは絵の具の流動性に依存するアートです。
たっぷりの絵の具がいい感じに画面の上を流れてくれなくては話になりません。
そのために絵の具の堅さをメディウムと水を混ぜることによって調整します。

家にあったメディウムは盛り上げ用とつや出し保護ニス。
盛り上げ剤はちょっと違うかなと除外。
つや出し保護ニスはいい感じにとろみがあるので使ってみました。
それだけでは堅くて流れないので水で調節します。

これが以外とむずかしい。
いい感じに流動する堅さになかなかできないのです。

堅さのスイートスポットは狭かった!

YouTubeを見ると絵の具の堅さはとろーっとしたゆるめのハチミツくらいです。
メディウムが残り少なかったため、主に水に頼ることに。
ところが半練りタイプの絵の具を水で薄めていくと
ちょっとした水加減ですぐにパシャパシャになってしまいます。

何とか堅さがいい感じになっても、量が足りなかったりします。
そうしたらまた絵の具と水を足して調整し直しです。
フルイドアートはたっぷりの絵の具を流すことによって模様を作るのですから
ここは妥協しない方がいいでしょう。

絵の具は二色以上を使います。
特別何かの効果を狙っているのではないのなら、どの色も同じ堅さがいいのです。
ということで同じになるように調整するのですが、
色によって堅さや粘度が違ったりしてなかなかうまくいきませんでした

結局扱いやすい絵の具を購入することに決めました

YouTubeでアーティストが使っている絵の具をまねするのが一番と判断し、
早速画材屋に走りました。

最初から柔らかく、大容量でコスパもいい。
このタイプの絵の具をメインに使っていくことになるでしょう。
家にあった半練りタイプは色の微調整に使うことにします。

長くなったので続きは次回へ。
超初心者のフルイドアート。有り物画材で始めてわかったこと2