fluid art

【動画付き】フルイドアート PEテープで自由にスワイプ

今回の制作の道具として用意したのは
皆様おなじみのPEテープです。

いろいろな呼び方があります。
私の住んでいる地方では『スズランテープ』という商品名で呼ぶ方が通りが良いです。

古新聞を縛ったり、応援団のポンポンを作ったり、
最近ではかぎ針編みでバッグを作ったりと
八面六臂の活躍を見せているEPテープを
フルイドアートでも使ってみることにしました。

今回は同じ色を使ってスワイプ方法を変えて二枚制作しました。

◆1枚目・ジグザク◆


基材はMDF材厚さ6mm 20cm四方に
ジェッソで下塗りしてあります。

プライマリーブルーを全面に塗り広げます。
絵の具が全面に塗れていればいいです。
ムラがあってもかまいません。

思いのままに絵の具をのせていきます。
ターコイズブルー、メタリックなインディゴ、ゴールドの3色です。


パールホワイトはスワイプして上にのる色なので端の方に。
ホワイトもスワイプで全面にのせたい色なので端にたっぷり流します。

PEテープ登場。
半透明なので絵の具の様子が見えてスワイプしやすいです。


ジグザグ ジグザグとテープを揺すりながら画面の端までスワイプします。

完成

◆2枚目・巻くように◆


1枚目と同じくプライマリーブルーを
全面に塗り広げ、思いのままに絵の具をのせていきます。

巻き取るようにテープを引いていきます。


ちょっとテープが浮いてしまった場所がありますが、
新しいテープでちょっと手直しします。
手直しした部分もバーナーで炙って
セルを発生させると、なじみます。


乾燥後、完成。

おまけ


基材について。
今回使用した基材は6mm厚のMDF材です。
MDF材とは木材チップを煮て繊維状にしたものに
合成樹脂を混ぜて固めたものです。
繊維の方向性がなく均質なので
アクリル絵の具を流した後のそりが少ないので使用しました。
ただしあくまで“少ない”というレベルです。
今回20cm四方のものを使いましたが数㎜の反りが出ました。
そのまま飾るのでしたら大して問題は無いでしょうが
きっちりと額に入れるとか、木工の素材にするとかにするのなら
ちょっと覚悟がいるかもしれません。

表面がなめらかなのでジェッソによる下塗りは必要なかったと思ったのですが、
しっかり下塗りした方が良いと指摘がありました。
実際やってみたらその通りでした。
ご指摘ありがとうございます。


関連記事

フルイドアート 用語辞典

【動画付き】立体物にフルイドアート3 星型オーナメント・くるみボタンベース編

立体物にフルイドアートというテーマの動画3本目。
素体は金属の星型オーナメントとくるみボタンベースです。

今回の素体は両方とも金属製です。
金属にアクリル絵の具を乗せる場合の下処理も紹介します。

下処理

ダイソーの星型オーナメントです。
ブリキの星飾りはアメリカンなインテリアによく登場します。

ブリキに塗装がしてあります。
塗料は何かはわかりませんがたぶん油性塗料でしょう。
このまま水性であるアクリル絵の具を乗せると
弾いたり乾燥後に剥がれたりする恐れがありますので下処理します。

下処理方法は“足付け”です。
足付けとは下地の表面を紙やすりなどでこすってざらざらにすることです。
そうすると表面積が増えて塗料画が食いつき、剥がれにくくなるのです。
今回紙やすりは320番を使いました。
240番から400番くらいがよく使われるようです。
表面のツヤがなくなって白っぽくなるまでこすります。

この写真では白っぽい上の方が足付け済み、黒っぽい下の方がまだの部分です。

星型オーナメント

絵の具は3色使いました。
今回は絵の具を弾きやすい素体に描くので、絵の具を固めに溶きました。

凹凸の高いところから絵の具を流していきます。

例によってこぼれた絵の具をすくい取ってのせ直します。
絵の具が堅いので、炙ってもセルはほとんど発生しませんでした。

2つ目はこの3色を使いました。

乾燥後・完成

くるみボタンベース

ダイソーのくるみボタンベース・38mmです。

星型オーナメントと同じように足付けしました。
左が足付け前、右が足付け済みです。

星型オーナメントを作った時に
コップの底に残った絵の具を使います。

くるみボタンベースは少しの絵の具でできるので
カップに余った絵の具や、ほかの作品を作ってこぼした絵の具をすくってでも
いくつも作ることができます。
ですのでいつでもすぐに作ることができるように
足付けしておいたものをいくつもキープしておいています。

乾燥後・完成

これをボタンやバッチにする場合は
絵の具面を保護する加工が必要です。
アクリル絵の具の画面は柔らかいのですぐに傷が付いてしまったり、
プラスチックのものに癒着してしまったりするからです。

絵の具が完全に乾燥してからUVレジンでコーティングするのが一番簡単です。
UVレジンは少量でしたら100均で買えます。
絵の具にシリコンオイルを入れている場合は
レジンを塗るときに弾いてしまうことがあるので、
絵の具の完全乾燥後に薄めた洗剤水で軽く拭いてください。
その後も完全乾燥させてからレジンを塗ってください。
硬化前のレジンと水は相性が悪いのです。

失敗例

側面の絵の具が弾いてしまっています。
原因として考えられるのは
1 足付けにむらがあった
2 絵の具の粘度が弱かった(ゆるかった)
3 油分をつけてしまった(うっかりシリコンオイルが…とか)
4 絵の具に混ぜたシリコンオイルが多すぎた
です。

こうなった場合は頑張って修復するより上書きする方が早いです。
洗剤水で洗って油分を取り、
露出した金属部分に新たに足付けして
新たな制作の基材として再利用しましょう。


関連記事

【動画付き】立体物にフルイドアート1 半球・キューブ編
フルイドアート 用語辞典

【動画付き】立体物にフルイドアート2  ドーナツ型編

立体物にフルイドアートというテーマの動画、2本目です。
今回はドーナツ型大小です。

ドーナツ型のベースは発泡スチロール製のリースベースを使用しました。
(ダイソーで購入)

発泡スチロール特有の“目”を隠すために
ジェッソで下塗りをしました。
下塗り方法のページははこちら↓
【動画付き】平滑な画面を作るための下塗りの仕方 forフルイドアート・アクリル絵画

下塗り済み

絵の具は4色使いました。
全色にシリコンオイルを3・4滴入れました。

ドーナツ大・白い地塗りに直接絵の具を流す

白ジェッソ地塗りの完全乾燥した状態の上に
アクリル絵の具を流していきます。

なにやらおいしそうな感じになってきました。

垂直部分に絵の具が流れていかなかったので
こぼれた絵の具をすくい取って修正をします。

手を入れた部分が多少不自然になっても
重力と時間が自然な感じに直してくれることを期待します。

どうなることかと思いましたが
絵の具は足りたようです。

乾燥後、完成

ドーナツ小・濃色のベースカラーの上に流す

いっそうんとおいしそうにしてやろうと
ベースにチョコレートを思わせる色を塗ることにしました。

ケーキをデコレーションしている気分です。

今回はベースカラーを生かしたいので
修正はほどほどにしておきます。

乾燥後・完成

まとめ

流した絵の具は同じものですが
白い下地に流したものと
濃色のベースカラーの上に流したものとでは
発色が違います。

白い下地の上の絵の具は
発色が明るくつややかです。
濃い色の下地の上の絵の具は
発色は沈みますが深みがあります。
仕上がりを想像しながら
下地の色を考える時間も楽しいですね。


関連記事

【動画付き】フルイドアート 3種類の絵の具の注ぎ方とその特徴
【動画付き】フルイドアートの作り方