フルイドアートを制作していて気になること。それは
絵の具を流した直後はふっくらつやつやな絵肌が、
乾燥とともにやせていってキャンバスの目がくっきり出てしまうことです。
フルイドアートのなめらかな流体模様に格子状のキャンバスの目は合わないような気がしたので、
フラットな絵肌になるように地塗りをしてみました。
その工程を皆さんにシェアしたいと思います。
下地作り
下地材を塗る
用意したのはダイソーのF3サイズのキャンバス。
ジェッソ、#400位の耐水ペーパーです。
ジェッソとはアクリル系の下地材です。
キャンバスや木材などの絵の支持体に塗って制作を助けます。
ジェッソの材料に含まれる炭酸カルシウム(石灰)が
支持体(キャンバス、紙、木など)の目を埋めて平らにしてくれます。
キャンバスに刷毛でジェッソを薄めずに塗ります。
キャンバスの目に埋め込むようにしっかり塗ります。
とりあえず刷毛目は気にしなくてもよいです。
でも刷毛の毛が抜けて張り付いた場合はとってください。
側面にも塗ります。
表面が乾いたら重ね塗りします。
キャンバスの目の粗さやジェッソの濃さによって違いはありますが、
私は5回重ね塗りしました。
繊細な細密画を描く方は10回以上重ね塗りするそうです。
水研ぎする
よーく乾燥させてから水研ぎして刷毛目を消します。
#400の耐水ペーパーを当て木に巻き付けて、水をかけて優しく研ぎます。
ジェッソは柔らかいのですぐに削れてしまいます。
こすりすぎ注意です。
キャンバスの木枠のところは力が入りやすく削りすぎになりやすいので注意しましょう。
削りかすで水が粘土状になってきたら拭き取って水を新しくかけます。
側面も忘れずに。
動画撮影用にテーブルの上で水研ぎしていますが
普段は流しでやっています。
後始末が楽ですから。
紙やすりを使って磨くこともできますが
耐水ペーパーを使った水研ぎおすすめします。
その理由は
●摩擦で熱くなりにくいので、やけどなどをしないですむ。
●水で削りかすを流しながら研ぐので、目詰まりしにくい。
●削った粉が飛び散らないので掃除が楽。
だからです。
平らな面を磨くときには当て木を使いましょう。
手のひらサイズの木の切れ端で十分です。
手にペーパーを直接持って使うと、指の丸みと柔らかさで
ムラのある仕上がりになる可能性が高いです。
フルイドアートの場合は絵の具がたっぷり乗るので
完璧につるつるに磨かなくても大丈夫です。
水で削りかすを洗い流したらよく乾燥させてください。
アクリル絵の具を流してみます
ではいつものように制作スタート。
今回は同じ色、同じ技法で
地塗りあり、地塗りなしの両方を作っていきます。
まずは地塗りしたキャンバスから。
フリップカップの技法を使います。
地塗りに使ったジェッソに含まれる炭酸カルシウム(石灰)が水分を吸うので
絵の具の流れが少し悪いようです。
絵の具の水分量を最初から心持ち多めにするとよいでしょう。
一晩乾かして完成。
地塗りした方の乾燥後絵肌アップ
地塗りしなかった方の乾燥後絵肌アップ。
地塗りありなしの乾燥後の比較
地塗りあり 乾燥後 | 地塗りなし 乾燥前 | 地塗りなし 乾燥後 |
木材にもやってみました。
まとめ
完成時の絵肌に関しては好みがあると思います。
私はつるつるの絵肌の方がフルイドアートの流動感を損なわないように感じるので好きです。
さらにグロスメディウムを塗ってテカテカにしたいぐらいです。
作業がめんどくさいけどつるつる絵肌にしたいという方!
最初から表面がつるつるの支持体を選べばよいのです。
私はプラバンをよく使います。
ほかにもユニペーパーを貼ったパネルとか、金属板、タイルなど実は選択肢はいろいろあります。
キャンバスにこだわる必要なんてありませんよー。
まあ、キャンバスは飾るとき便利だし、軽いし、再利用がきくし…
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